初めての自宅レコーディング!宅録に必要な機材を揃えよう:コンデンサーマイク編
宅録に必要不可欠なマイク。
これが無くては始まらない。
レコーディングは、ライブで使用するダイナミックマイクではなく、出来れば感度のいいコンデンサーマイクで録りたいものだ。
レコーディングスタジオで定番なのは、ドイツのNEUMANN (ノイマン) U87だ。
オレはコイツと相性がいいらしい。
というのは、以前、山中湖のスタジオでアルバムを録音したときに、当時お世話になっていたレーベルの社長とレコーディングエンジニアの方が、オレの声にどのマイクが合うかテストしてくれた事があった。
定番のノイマンU87や、通称クジラと呼ばれるSENNHEISER (ゼンハイザー) MD421、昔の漫才師が使っていたような年代物までいろいろ試してくれた。
結果、オレの声にはノイマンU87が合うという事でそれを使ってレコーディングをした。
その記憶があるので、ノイマンU87が一番いいのはわかっているのだが、いかんせんこれが高い。(30万オーバー)
何か他にいいマイクはないかとネットで調べたところ、10分の1以下の価格でノイマンU87そっくりな音が録れると書いてあるマイクがあった。
ムムムー
悩んだが、「そっくり」な音じゃなく「そのもの」の音が欲しいんだ!と結局パス。
そして、どうせならノイマンの製品の中から選ぼうと考えた。
オレがラインナップの中から選んだのは、TLM102。
音はもう信頼するとして、宅録に最適だと思った特徴は二つ。
・ポップガードが不要
・サスペンションホルダーが不要
ポップガードは、レコーディングマイクの前にセットする丸い網状のもので、ポップノイズなど不要な音をカットしてくれる。
ただ、これがあると、マイクまでの距離が掴みづらいので個人的には、あまり好きじゃない。
サスペンションホルダーは、振動音をマイクが拾わないようにするものだ。
これがあると、いかにもレコーディングっていう感じだが、高額なので買わずに済むなら有難い。
届いたものを実際に手に取ってみると、デザインは70年代のものを踏襲しているので、所謂ノイマンらしさが出ていてカッコイイ!!
マイクはコレでオッケーだが、ひとつ気になっていることがある。
それは、真空管の存在だ。
伝説的名機と呼ばれるノイマンU47や、C12は、トランジスタではなく真空管を使っていた時代(60~70年代)の製品だ。
これらのマイクは、本当に素晴らしいと言われている。
ビートルズのレコーディングエンジニアだったジョージ・マーティンの『All you need is ears』という本でもその素晴らしさが語られ、真空管コンデサーマイクのC12は夢のようなマイクだとの記述もある。
その音は、温かみがあり艷やがあると形容されることも。
前述の山中湖のレコーディングの際も、マイク選びが完了したあとで、エンジニアの方が、明日アメリカからマイク用の真空管プリアンプが到着するから、楽しみだ!それを使ってレコーディングしような!と笑顔でオレに教えてくれた。
当時は、それがどういう効果をもたらすのがよくわかっていなかったが、やはり使用するマイクには真空管が入っていないので、真空管が入ったプリアンプを使うことで、声に温かみや艶が出るということだったのだろう。
今、思うと、そこまで考えてくれていたレーベルの社長に本当に感謝感謝である。
そう考えると、このマイクで宅録をやっていって耳が肥えて来たら、いつの日かマイク用の真空管プリアンプが欲しくなるのかも知れない。
いや、きっとそう遠くない未来だろう。
我ながら思うが、まったくミュージシャンというのは困ったもんだ(笑)