閃輝暗点(せんきあんてん)になった話
ある日、パソコン作業をしていると、突然目の前に虹色に光るギザギザの輪が出現した。
これはなんだ。
右を見ても左を見ても、そのギザギザの輪は、視界の中にある。
オレは、改造人間だったのか。
視界が欠けるとか、歪むならわかるが、普通の人間にギザギザのものが見えるようになるだろうか。
真っ先にそんなことを考えた。
しかし、この歳でこれからショッカーと戦うとは考えにくい。
え?このオレが仮面ライダーに選ばれただとーという流れは現実にはない。
仕方なく、ネットで情報を収集してみることにした。
すると、
簡単に見つかった。
画像は拾い画です。(元記事不明のためリンク出来ず)
これが左右にひとつずつ現れた。
調べてみると、
閃輝暗点(せんきあんてん)
・ふとしたときに突然視野の中にギザギザ・キラキラとした光の波ができ、次第に広がって暗くなり見えなくなる。
・脳の視覚を司っている中枢の血管が収縮したことで、一時的に血の流れが変化して起こると考えられている。
・ストレスが溜まっていてホッと一息ついたとき、チョコレートを食べた後やワインを飲んだ後など、収縮した血管が拡張したタイミングで起こりやすい。
・閃輝暗点そのものに対する治療法はない。
・芥川龍之介は重度の閃輝暗点を抱えていた。
「歯車」という小説の歯車とは閃輝暗点のこと。
・まずは眼科、気になるようなら脳外科を受診。
・閃輝暗点を伴う偏頭痛持ちは天才が多い。
天才!!
そこだけが心に残り、ニヤつくオレ。
いやいや、違うだろ(笑)
喜んでる場合か!
ほんとに単純で自分ながら笑ってしまう。
というわけで、チョコもワインも飲んでいなかったから何だったんだろうなーと思いながらも、しばらくしてギザギザのことはすっかり忘れていた。
そして、一週間後。
また、ギザギザがやってきた。
10分程目を閉じていれば治るのだが、何しろ気持ちのいいものではない。
わーい、虹色のギザギザ綺麗~とか喜んではいられない感じだ。
これは、一回病院に行ってみるかーということで、眼科に行った。
視力検査や眼圧・眼底検査をし、先生の前へ。
「いやー、改造人間にされていたかと思っちゃいましたよー」
「・・・・・」
先生的には、まあ無言になるわな。
検査の結果は、どこも悪くないので、頻発するようなら脳外科に行って調べてもらった方がよいと思いますとのこと。
脳の血流が変化してそうなるらしいとも。
ひとまず、ちょっとサッパリした。
芥川龍之介を久しぶりに読んでみるか。