Ryu's Rock Life Blog

シンガーソングライター、ボーカリスト、ボイストレーナーとして活動するRyuのブログ

創刊号に掲載する『詩』を頼まれる

地元に昔からある雑誌、「あおもり草子」が昨年秋に創刊40年で終刊した。

40年続いた雑誌は、地元のカルチャーや歴史、今を発信し続けて来た。

 

この雑誌には、以前コラムを頼まれてボランティアライブについて書いたことがあった。 

個人的にも終刊は残念だった。

復刊を望む声も多かったようで、昨年末に元編集者がその後を継ぐことを決心し、出版社を立ち上げた。

そして、今年の12月10日に「季刊 あおもりのき」が創刊された。
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「創刊号に詩を書いてもらえませんか」

電話は、そのちょうど一か月前に掛かって来た。

電話をくれた彼とは仕事で一緒になった事もあり、その人柄の良さを十分知っていた。

出版社を立ち上げたと聞いて応援したいとも思っていた。

「もちろん!オッケー!なんでもやるよ」

即答した。

 

詩を頼まれて書くというのは、あまりないことだ。

曲なら経験があるが、詩で、しかも出版社を立ち上げての創刊号。

しかも、知る人ぞ知る伝説のコーナーの復活ということだった。

プレッシャーは少なからずあった。

しかし、それ以上の嬉しさもあった。

ミュージシャンとしてのオレ、詩を書くオレに声を掛けてくれた。

これはもうオレらしく書くしかない。

 

まず、内容で悩んだ。

今回はラブソング的なものでもないだろう。

今、何を書きたいのか自らに聞いてみる。

息子しかないでしょ。

そうだよな。と即決した(笑)

ということで、いい機会だから息子をテーマに詩を書くことにした。

 

彼(息子)はその頃、ハイハイも上手になって、なんとか立とうとしているところだった。

直接的な表現というのは、詩では避けるのが普通だが、オレは今回自分から出てきたものを出来るだけそのまま出そうと思った。

彼への想いは、こねくり回してもしょうがない。

そして、後々メロディをつけて歌うことも出来るように字数をある程度揃えた。

 

ここに、出来上がった詩を出版社の許可を得て掲載します。

 

 

ツカマリダチ

 

壁にぶつかって泣きもせず

天を睨んで手を伸ばす

 

触れるもの全て掴み引き寄せ

自らの足で立とうとする

 

倒れる転ぶひっくり返える

もんどりうって頭をぶつける

 

何度も何度も何度も倒れて

痛みもきっとあることだろう

 

それでも前進 また手を伸ばす

止めずに見てるぞ お前を愛してる

 

真っ赤なほっぺの小さな吐息

今日もまたお前に教えられた

 

上手く行かなくてもそれがどうした

男は黙ってぶつかって行くだけだろ

泣き言は言わないあきらめもしない

男は黙ってぶつかって行くだけだろ

 

そしてついにお前はひとりで立ち上がった

振り返って満足そうに俺に笑いかける

 

どうだいそこから見える景色は

最高だよな 俺も泣きながら笑うよ 

 

真っ赤なほっぺの小さな吐息

今日もまたお前に教えられた

 

上手く行かなくてもそれがどうした

男は黙ってぶつかって行くだけだろ

泣き言は言わないあきらめもしない

男は黙ってぶつかって行くだけだろ

 

 

 ちなみに、写真も一枚掲載していただけるということで、つかまり立ちしているオレの写真(笑)

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子どもが一歳になり、動き回って目が離せなくなっている最近は、ギターを手に取ることもあまり無いのだけれど、こうして創作活動が出来ることを本当に嬉しく思う。

今回、いい機会を与えてもらい感謝しています。

ありがとうございました!