SUGIZOとAIONの打ち上げで飲んだ夜を思い出す
ヤフーニュースでSUGIZOの記事を読んだ
娘の誕生が、ひどい生き方を変えるきっかけになったと書いてあった
あのままだったら、今頃は檻の中かこの世にいなかったと...
LUNA SEAとX JAPANのギタリストとして有名な彼
一度、一緒に飲んだことがある
あれは、彼のバンドがまだLUNACYという表記の頃
オレは当時やっていたバンドのギタリストに連れられて目黒の鹿鳴館にAIONというバンドを観に行った
AIONは、関西で有名なヘヴィメタルバンドで東京でも人気があった
派手なヴィジュアルで凄腕ギタリストが引っ張る、ヘヴィなステージだった
その凄腕ギタリストがうちのギタリストの師匠らしく、ライブ終わりに打ち上げに参加することになった
打ち上げ会場の居酒屋で待っていると、メンバーと共に黒服の軍団がやって来た
コムデギャルソンのようなオシャレな幅広のパンツスーツを着こなした5人組
それがLUNACYだった
20人くらいの打ち上げで、いろんなバンドもいるし、せっかくだからということで、バンドごとに固まらずバラバラに座って飲もうということになった
オレの席は4人
オレの隣にSUGIZO、その隣にAIONのドラムの方がいた
SUGIZOは、バンドマンにありがちなワルぶってる感じもなく、とても好感の持てる20代前半の真面目な青年で、もちろんその頃からイケメンだった
「今度、町田のプレイハウスでワンマンやるんです 見に来てもらえませんか?」
そう言われたのを覚えている
また、そのライブは黒服限定と言って黒い服の人だけが入場できるものなんですとも言っていた
それに対して、「都内でやるときには行くから連絡して」と答えたオレ
新宿JAM、新宿アンティノック、渋谷ラ・ママ、三軒茶屋ヘブンズドア、吉祥寺曼荼羅などでライブをしていたオレは、都内にいっぱい魅力的なライブハウスがあるのになぜ町田にこだわるんだろうと思っていた
アホだった
今ならわかる
彼らにとって町田は地元
町田プレイハウスはホームグラウンドだったんだ
そして、そこを大事にしていたんだ
プロを目指し、地元での活動をほとんどぜずに急いで東京に出てきたオレには、ホームグラウンドと呼べるライブハウスを持つという感覚がなかった
道場破りのような感じで有名ライブハウスのオーディションを受けては、がむしゃらに次々と出演して行った
しかし、そこで出会った縁もある
だから、良かったのか悪かったのかはわからないが、ホームを持つことは素晴らしいし、楽しいだろうなと思う
ホームできちんとワンマンをして、それから都内全域で活動していったLUNACYは、地元のファンも大切にしていたんだと思う それは素敵だ
その翌年、音楽雑誌ロッキンfのライブイベントに出演してからのLUNACYは一気にスターダムに駆け上がっていった
それから10年後くらいには、オレの友達のバンドが彼のレーベルからCDを出したり、友達がベースでSUGIZOとバンドをやったりした
その度に、あの日の夜のことを思い出した
オレたちはあの日、酒を飲みながら音楽の話だけを延々とした
ロックが好きで好きで堪らない男たちだけで、夢中で語り合った
バンドマン同士、ロッカー同士、一緒の時代を生きていたと言えるかもしれない
しかし、それだけだ
人生は一期一会
彼は友達ではない
でも、何故か彼らのCDは聞かなかったが、彼のことはずっと気になっていた
因みに、あの時に一緒に飲んだAIONのドラムの方は近年亡くなられたらしい
時はかなり流れた
記事を読んで、売れる前に出会ったピュアな青年SUGIZOが、いろんな経験をしていることに、勝手にそうかそうか大変だったなとうなづき
勝手にそうだよなそうだよなと共感し、音楽以外でも素敵なことをしているな〜と思った
人はきっかけさえあれば変われる か、
良かったなSUGIZO
友達じゃないけど嬉しいよ
オレには一ヶ月前に産まれた息子がいる
オレも変わるかもしれないな
何の「きっかけ」になったかは、いつか振り返ったときにわかるんだろう
変わるのは嫌いじゃない
変化を楽しむ事にしよう
息子よ、先に言っとくぞ
きっかけを、ありがとう!!